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教育への公的支出、日本は最下位!

2016年の初等教育から高等教育への公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、日本が2.9%と35か国中最下位であることが、OECD(経済協力開発機構)が2019年に発表した調査結果より明らかになりました。

*参照ReseMom

画像:OECD「Education at a Glance 2019」

ノルウェーは6%を超えているにも関わらず、日本は半分にも満たない2.9%と、比較可能な35か国最下位という無残なものです。

OECD諸国平均が4%なので、どれだけ低いか分かりますよね。

 

日本人は勤勉で真面目で、世界で最もIQが高いと言われていたのは、いつの頃だったのでしょう?

 

アンヘル・グリアOECD事務総長は「若者が予測不能で変化し続ける世界で生きていくために必要な知識と技能を身につけることが、かつてないほど重要になっている。我々は機会を拡大し、将来のスキルニーズへの橋渡しを強化して、あらゆる学生が社会で自分の場所を見つけ、その能力を最大限発揮できる様にしなければならない」と語っています。

 

世界の若者たちは、予測不能な世界で生き抜くために必死で勉強をしているということです。しかし、日本の若者の現状はどうでしょうか?

私は日本の多くの大学を訪問したことがあります。そして、アメリカの大学を8校視察に行ったこともあります。


カリフォルニア州立大学UCLA内の、学生課のキャンパスツアー受付です。

「Where Great Futures Begin」→「偉大な未来への始まり」素晴らしい言葉だと思いませんか?

世界中から若者が視察に訪れていました。

そこで感じたことは、恐ろしいほどの「若者の自覚の差」です。もちろん私の個人的感想ですが。

我が社のある高田馬場は若者の街として有名です。どこの居酒屋も若者で賑わい、働いているバイトもほぼ学生たちです。

 

一方、アメリカの大学では学生のバイトを禁じています。

「学生の本分は修学であり、バイトをして時間を潰すべきではない」という考え方からです。

 

どこの大学でも生活費に苦労している学生には奨学金制度が充実しており、特にスタンフォード大学では、それでも苦悩している学生に、生協で働く道を作っています。

スタンフォード大学の入り口の広場です。ここでスティーブジョブスが演説したのも有名ですね。

どこの図書館も、午前中の早い時間に既に満席かそれに近い状態です。

学内の芝生の上では分厚い本を読んでいたり、パソコンを開いて調べ物をしている姿があちこちで見られます。

スタンフォード大学内の図書館です。


ハーバード大学


創設者ジョン・ハーバード氏の左足に触れると幸運が訪れるとの言い伝えがあるので、その部分だけがピカピカに光っています。

ハーバード大学内での学校生活についての説明会

コロンビア大学内の芝生でも、グループごとでのセッションが多く見受けられました。

ニューヨーク大学は街の中にあるのでセキュリティが厳重です。校舎が幾つにも分かれているので学生達も頻繁に出たり入ったりを繰り返します。

試験が始まると、いつも19時には閉まっている図書館も24時間開けています。

私の知る限り、入り口が狭く出口が広い大学は日本だけです。

アメリカ、イギリス、オーストラリアの大学について知っていますが、どこでも入り口が広く出口が狭いのが大学です。

学士課程を修了して大学の看板を背負って生きていくのですから、大学はそう簡単には卒業させません。

 

ところが日本では今、それを見習って修正するどころか、「大学共通テスト」(旧センター試験)では記述式の試験を実施しようとしています。

この問題については、次号に触れてみたいと思います。

 

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