9月4日環境省が発表した「地球温暖化対策及び施策の進捗状況」で明らかになった温室効果ガス(GHG)の数字ですが、削減されたと言ってもその総量は13億2千500万トンにも及びます。
削減された理由としては、電力消費の削減などによるエネルギー起源のCO2排出量が減少したことが要因に挙げられています。しかし、フロンに関しては前年度比9.5%と増加しており、これはハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)からハイドロフルオロカーボン類(HFC)への代替が進んだ為です。
R22などからR410などへの移行を示していますが、R22よりR410の方がオゾン層破壊係数(ODP)は低いと言っても(R22→0.055、R410→0)、地球温暖化係数(GWP)は増えている(R22→1,810、R410→2,090)ガスの排出量が増えているのだから、地球が蒸し暑くなっていくのは当たり前と言えるでしょう。
その為に2016年モントリオール議定書で、HFC規制対象に追加し削減スケジュールを定めたのです。日本でも平成27年4月から「改正フロン法」が施行され、フロン類を冷媒に使用した業務用のエアコンや冷凍冷蔵機器について、点検報告が義務化されました。
しかし、廃棄時の冷媒回収率はわずか38%に止まり、半分以上の冷媒ガスが排出、この場合は放出ですね、されているわけです。もちろん廃棄時だけでなく通常使用時でも漏洩しているのですから、地球温暖化対策は急務でありながら混沌として進んでいない事がわかります。
アメリカのトランプ大統領のように、この議定書から離脱してしまうなどは考えられない事です。先日のアメリカのミスユニバースに選ばれた方は、スピーチでトランプ大統領の行動について、はっきりと批判していました。勇気ある行動におもわず拍手を送りたくなったものです。
日本でも、国民一人一人がしっかりとした知識と認識を持ち、出来ることから取組んでいってもらいたいと思います。