なんの話だと思いますか？　五輪の選手たちに提供される畜産物の基準が世界レベルからみると、とても低過ぎるということです。

2012年ロンドンオリンピックで自転車競技の銀メダリスト「ドッチィ・バウシュ」さんら９人のメダリストが、小池百合子都知事と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会への嘆願書を出すことが決まりました。

嘆願書では、東京オリ・パラで使用する豚肉は100％ストールフリーであること、となっています。

豚の飼育状況を知らない方も多いと思いますので、簡単に説明すると、豚は身動きひとつできないストール（鉄柵）の中で飼育されています。

理由は簡単です。身動きしないのだから食事の量も減らせられる（餌代を減らせられる）。動かないのだから肉質が柔らかくなる、などです。

皆さんが安くて柔らかい豚肉を好むから、企業はこう言った下劣な手段を平気で取るのです。

豚にストレスのある飼育の結果は甚大で、カテコールアミン、グルココルチコイドなどのホルモンが増大します。筋肉、骨密度、テストステロン、免疫力の減退と関連し、血糖値、心臓血管機能にも影響します。

ちなみに私は肉類を一切取りません。

そして鶏卵は100％ケージフリー（平飼い・放し飼い）で調達することにしています。

鶏も豚同様に、安くて柔らかい肉質のために、ケージ（檻）の中でギュウギュウ詰になって殺される日を待っています。不健康を証明するかのように、毛は汚れ抜け毛もとても多いです。

バタリケージが何段にもなっているところでは、上の鶏のふんがそのまま下の鶏にかかっています。また土の上ではないので、爪や足も変形しています。

放牧された卵は、ケージの卵よりプロテイン、ビタミンE、βカロチン、オメガ3が多く含まれ、パフォーマンスを左右し、結果への影響も大変に明確です。

劣悪な環境で育てられた動物は病弱になり、抗生物質やワクチンなどを多量に投与されます。それらの畜産動物を摂取すると、抗生物質などが効かない薬剤耐性菌に感染しやすくなる危険性もあると、認定NPO法人アニマルライツセンター代表理事岡田千尋氏が指摘しています。

東京オリ・パラでも一応畜産物の調達コードを「JGPA」「GLOBAL GAP」「GAPチャレンジシステム」などを規定しアニマルウェルフェアの概念も含まれています。しかし世界で相次いで廃止が決まっている妊娠ストール飼育やバタリケージについては言及されていません。

ロンドンでも放牧卵を使用し、リオでもケージフリーの卵が使用されています。

東京というより日本人のアニマルウェルフェアに対する意識が低すぎます。

また、自分が口にするものを、どのような環境で育てられたものかを知ろうとしなさ過ぎます。

あなたは、あなたの家族に薬漬けになった肉を食べさせたいですか？　そもそもこれだけ栄養価を色々な食べ物から摂取できる時代に、動物を殺してまで食べたいですか？　肉が好きな方を否定はしませんが、動物たちの殺される姿は認識するべきだと思います。

最後に、肉をやめろとは言いませんが、減らしませんか？

誰でもご存知のポールマッカートニーが推奨している「ミート・フリーマンデー」という言葉をご存知ですか。

せめて月曜くらいは肉食べないようにしようよ。という提案で私が大好きな言葉です。今ではデカプリオやマドンナ、レディガガ、スティービーワンダーなどのミュージシャンやハリウッドスターの多くが提唱しています。

日本で屠畜されている畜産動物は年間８億に及びます。一週間に1日だけお肉を食べるのをやめると１億以上の命を救うことができるのです。

どうですか、これならお肉が大好きと言う方でもできるのではないでしょうか。