我々の年代でポールを知らない、または嫌いだと言う人はいないと思います。それは日本だけでなく世界中でも。
ポールもとても日本が好きなんです。でも今までに名古屋で公演をしたことがなかったのです。ではなぜ今回行うことになったのか・・・。
ポールの乗っている車はレクサスの最高級車です。当然室内は豪華な革張り・・のはずが、彼は特別にトヨタに「レザー部分を全て外し、動物系を使わない仕様にしてください」とお願いしたのです。
そして彼だけの特別バージョンが出来上がりました。
さてこの話を理解してもらうためには、さらに10年前のエピソードも伝えなければなりません。
2008年、ポールは環境に優しい車としてレクサス600hを注文しました。私も二台乗り継ぎましたがとても良い車でした。
この車は「h」が付いているのでお分かりかと思いますが、ハイブリッド仕様なのです。その為、同クラスのXJジャガーだと1kmあたりの二酸化炭素排出量が249gに対し、レクサスは219gと約20%少ないのです。
それが決め手となり注文しましたが、さらに空輸ではなく船便をお願いしたのです。
しかしトヨタはその意向を無視したのか勘違いしたのか、大スターに対していらぬお節介を焼いたのか、空輸便で送ってしまったのです。
それを知ったポールは「環境に優しい車を日本から空輸するとは欺瞞でしかない」と憤慨したのです。
船便だと3週間かかりますが、それでも二酸化炭素排出量は297kgでしかありません。かたや空輸となると38,050kg、なんと130倍近くに跳ね上がってしまうのです。
その後何台乗り継いだのかわかりませんが、今回もレクサスのハイブリッドを注文し、先に説明したように動物系不使用車としてもらったのです。
そして、トヨタではそのようなニーズに応えるべく、ポールバージョンとして革製品を使わない車をオプションにしようと言うのです。未確認ですが販売になっているかもしれません。
それに感動したポールが、今回の来日でぜひトヨタに表敬したいとなり、名古屋公演も行うことが決定したのです。
大スターと大企業のこんなエピソード、ちょっと嬉しくなるのは私だけではないと思いますが、いかがですか?