わかっていても、なんとなく990円の方が安いと感じる方は多いのではないでしょうか。
平成元年に当初3%の消費税が導入され、内税か外税かは業者に任されていました。そして平成14年4月、諸費税8%に上がりました。
しかし平成16年4月より「総額表示方式(内税表示)」が義務化されているのです。でも今でも悪徳とまでは言いませんが、外税表記にしている業者は、先の「990円の外税の方が安く見える」ことを利用しているに過ぎません。
そしてついに今年10月に消費税が10%時代を迎えることになります。
私は消費税が10%になること自体に反対する気はありません。その分、国力が増し、国民に還元してくれれば全く問題ないと考えるからです。
しかし、税金の垂れ流しのような第三セクターや、籠池問題などをあげたら枚挙に遑がありませんよね。このようなことがある限り「自分の納めた税金を正常に使われているのか? 将来は自分のために戻ってくるのか?」と疑問に思うのは、ほとんどの国民感情ではないでしょうか。
*出典:国税庁
先日もある行きつけの(詳しくは言えませんが)整体のお店が、今までの内税を外税に変えると突然の知らせが来たのです。
説明には色々と書かれていましたが(多くは詭弁にしか聞こえません)、どんなに説明しようとも、やっていることは単に8%の値上げでしかありません。
しかも、このタイミングで実施してきたのは、10月の消費税10%を見据えたものであることも間違いありません。
例えば内税を守っているまともな企業では「人件費などの高騰から来月より3%値上げさせていただきます」の様な、まともな値上げでは、消費税が10%になった時、再度「消費税引き上げにつき来月より2%値上げさせていただきます」としなければならないのです。
内税から外税へ変更した整体のお店では、このことを見据えたからなのです。
これは、間違いなく便乗値上げです。しかしこれを真似る企業は(すでにしているところもあるでしょう)今後、相当数に上ると思います。
また、上がることを利用し、それまでの購入を煽る業者も多く出るでしょうから要注意です。
消費税についておさらい
住宅
土地代 中古住宅 中古マンション 消費税がかかりません。
新築の建物部分にしか消費税がかかりません。
自動車
諸費税の税率は納車時時点が適用される。
つまり購入を決定し契約したのが9月末までであったとしても、納車が10月になってしまえば、消費税は10%が適用されてしまいます。
消費税10%になると、これまでの自動車取得税(軽自動車2%、その他3%)が廃止されます。その代わりに「環境性能割」が導入されます。
*出典:車検と車の手続きセンター
軽減税率制度
消費税が10%に引き上げられても、飲食料品(酒類 外食 ケータリングなどを除く)と新聞は税率8%のままに据え置かれます。
飲食類が値上げされないのは、生死に関わる可能性があるからです。新聞にも理由があるのでしょう。
今回の消費税が値上げされることについて反対されている方も、「単に値上げされるから」「余計に支払いをしたくないから」という短絡なものではなく、しっかりと納税は国民の義務であり、しかしながらその使途について知る権利もあることを理解してもらいたいと思います。
そして便乗値上げについて、昨年11月に麻生太郎財務相は「消費増税分を超える便乗値上げを容認」と言っていました。*この時の発言を確認しようと検索したのですが、大元から削除されていました。
こう言った不適切な政治家の発言を国民として許さない、という強い姿勢を保ち続けなければならないと思います。