なぜコロナは白人系に死亡者が多く、アジア系には少ないのでしょうか?
ずっと疑問に思っていたことです。憶測の中には、
「BCGの予防接種が有効だったのでは」
「日本人は真面目でマスクや消毒をしっかりしているから」
「靴を脱いで屋内に入る習慣があるから」
「味噌汁や豆腐などの大豆食品を多くとっているから」
など、本当らしきものから、まさか?と思える話まで飛び交っています。
この例に書かれているのは、アジア人ではなく日本人についてなので、ちょっと参考には出来かねますよね。
ところが昨年末にBSで特集が組まれていた番組で、とても有効な情報を得ることができたので調べてみました。
(Yamamoto N et al. SARS-CoV-2 infections and COVID-19 mortalities strongly correlate with ACE1 I/D genotype. Gene 2020; 758:144944.)
*参照:日系メディカル
山本博士がGene誌に昨年7月3日に報告した論文です。
ACEとは、アンジオテンシン変換酵素のことで、タイプが1と2に分かれます。
このサイトは専門的なので、もう少し分かりやすい情報を探すと、ありました。
NHKの解説委員室というブログです。
「新型コロナウイルス アジアで何故 死者 少ない? 『ファクターX』を探せ!」
2020年9月3日 記事:矢島ゆき子解説委員
正直言えば、私がまとめようとしたことがほぼ書かれていますので、こちらを読んでいただければと思います。まあ、それでは私の価値?がないので、少し意見を加えながら解説していきたいと思います。
出典:NHKの解説委員室
冒頭で私が疑問に思っていたのは、まさにこの棒グラフです。ここでまとめてもらっているのがヨーロッパと東アジアなので、それを元に解説を進めていきます。
圧倒的に東アジア系に死者割合が低くなっています。
スペインと日本を比べてみても明らかなように、その差、なんと60倍以上で死者割合が高いのですから、驚きです。
出典:NHKの解説委員室
ここで「ACE1」が出てきました。
「ACE1」が、あまり働かないと死者が少なく、働くと多くなることがわかります。
次の図解では「ACE2」も出てきます。
出典:NHKの解説委員室
つまり「ACE1」は、血管を収縮し血圧上昇へ導く「アクセル」の役目を担っており、
「ACE2」は、血管を拡張子血圧低下へ導く「ブレーキ」の役目を担っているのです。
出典:NHKの解説委員室
「ACE1」を沢山持っているヨーロッパ人は、コロナウイルスに感染すると、アクセルが全開になり死亡リスクが高まるのです。
こちらのサイトでは、死に至る要因「ファクターX」が何なのかを探せというお題です。
まだ仮説の段階とはいえ、「国立国際医療研究センター」からも、「ファクターX」は「ACE1」であろうと発表されています。
出典:NHKの解説委員室
これも注目すべき情報です。
Kanagawa RASI COVID-19研究が、先月横浜市立大学・国立循環器病研究センター・量子化学技術研究開発機構などから発表された内容では、高血圧の薬をコロナ前から服用していた高齢者に、重症患者が少なかったとのことです。
他にも「ファクターX」の候補はあります。
もともと風邪にかかっており抗体ができていた
BCGワクチン接種
この矢島ゆき子解説委員の話は昨年の9月ですが、私がBS放送で見た昨年末の特集でも、まだ「ACE1」についても「仮設」とされていました。
まあ、ど素人の私が思うに、間違いなく「ACE1」が「ファクターX」だと思います。
皆さんはいかがですか?
参考資料
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/infection/202008/566787.html
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/435281.html