先ずは昨年の夏の気候を覚えていますか?
昨年は1898年統計開始以来、史上二番目に暑かった年だったんです。
東京では35°を超える猛暑日が過去最多の16日となり、7月1日には、埼玉や岐阜などの6拠点で40°を超えたのも過去最多となりました。
一番の原因はペルー沖の海面温度が上がる「ラニーニャ現象」で、東風に乗って日本が猛暑になってしまったのです。
今年の夏も、前半にラニーニャ現象のために暑くなりそうです。ただ、昨年の様に10月まで残暑が残ることはなさそうです。
ただ発生しているというより、昨年から今年前半のラニーニャ現象の影響を受けて高くなるので、発生はしない様です。ちょっとややこしいですがそういう事です。
夏までにエルニーニョ現象が起きる確率が高まっており、エルニーニョが発生すると豪雨の可能性が高まります。ただし西日本では気温がやや下がり、日本海で大雨になる予想です。
短期では5月がやや寒く、6月に暑くなりそうです。
さて本題の「暑熱順化」について説明します
一般財団法人日本気象協会(東京豊島区)では、熱中症ゼロを目指すためには、盛夏だけでなく、その前から暑さに慣れておく事が重要だと言っています。それを「暑熱順化」と呼び、4月6日に公式サイトを立ち上げ「暑熱順化」について呼びかけています。
上記図:一般財団法人日本気象協会より
日頃から運動とお風呂に入る
自分は日頃からジムにも通っていますが、ゴルフをするので屋外での運動も多く、ある程度予防的になっているかと思います。
もちろん夏のラウンドは帽子をキャップからハットに切り替えて、首筋などを守っていますし、日焼け止めは顔や手はもちろん、短パンの時は足にもしっかりとハーフ毎に塗っています。
皆様も紫外線対策をしっかりとしながら、「暑熱順化」を早めから実践してください。
因みに運動だけではなく、入浴も効果が高いとのことですから、シャワーを浴びるだけというのはやめて浴槽に浸かりましょう。
この応急処置ついては印刷されて、目の届くとこに貼っておくことをお勧めします。
熱中症の予防についてのPDFもあるので、そちらも貼ろうかと思いましたが、結構色々と書いているので、かえって読まないかと思い、シンプルな上の解説を使いました。
さて、世界的に気温はどうなっているのでしょう?
平安時代と比べて寒いという意見もあります。
豆知識として知っておいてください。平安時代は世界的に「中世温暖期」と呼ばれる時代にあり、西暦約800年〜1300年の間を指します。
地球は温暖期と寒冷期を繰り返しています。
2〜10万年サイクル(このサイクルをミランコヴィッチサイクルと言います)で日射量を計算できます。これによると、あと3万年くらい寒冷期は来ないとも言われています。
過去2000年では小さな気候変動を起こしており、平安時代は「中世温暖期」に当たっていたと言うことで、30°を超える日もあったと言います。
今ではエアコンがありますが、その時代はどうやって暑さを凌いでいたのでしょうか。
昔の家は涼しかった
昔の家は「軒下」があり、風が吹き抜けていました。天井裏もそうですよね。今では天井裏も物置の様に使っていたり、隠れ部屋の様に使っている時もあります。
まあ軒下があればシロアリが発生するかもしれませんし、天井裏があるとネズミが運動会をしているかもしれませんからね。
この気温上昇はミランコヴィッチサイクルでは解けないとのことで、人間が自然界のサイクルをいじって(狂わして)しまっているからと思われます。
さらに詳しく調べてみました
実はこれを書くにあたり、段々と興味が増してきたので、他の方の意見も読んでみました。
その中でも「江守正多」東京大学未来ビジョン研究センター教授の解説がわかりやすく、その一部を紹介します。
現代が実は氷期だった!?
今我々が生きている現代が「氷期」であってもおかしくなかったとのことです。
氷河期というのは地球の一部に氷河が残っていることを指すので、混同しないように寒い「氷期」と暖かい「間氷期」に分けています。
氷期にはマンモスを狩っている原始人をイメージして下さい。間氷期になって農耕が始まりました。
ドイツのポツダム気候影響研究所のGanopolsk博士らが、科学誌Natureに発表した論文では、現代が氷期に入っていてもおかしくなかった、と書いています。
これについて説明していると、難しくなり過ぎますので触れないでおきます。
氷期に入るタイミングを逃れたのは、大気中のCO2が40ppmほど高かったおかげとのことです。
ただし産業革命以降のCO2の高さは地球温暖化の最たる要因としていますが、それ以前からの影響となりますから、何が原因だったのでしょうか?
焼畑農耕が救った!?
おそらくですが、農耕が始まる=焼畑によって山林を焼いて行ったことによるCO2の増加ではなかったのか?
つまり我々の先祖が知らぬ間に、我々の現代を氷期から守ってくれた、という可能性があるのです。
氷期に入っていたなら5°以上も気温が下がっていたとのことです。
5万年後の地球を氷期から救う!?
そして一兆トンの炭素を大気に注入したとすると、大気に残ったCO2のおかげ?で5万年後も氷期にならないというのです。
現在で人類は0.5トンもの炭素を大気中に注入しており、パリ協定で決まった排出量を守っても、結果一兆トン近くとなり氷期にはならないということなのです。
五万年後の子孫に「ご先祖様が地球環境を無視ししてCO2を沢山出してくれたおかげで、氷期にならなくて良かった」と言ってもらえるのか?
はたまた、そこまでに人類が滅亡しているのか、地球が壊れてしまっているのか、さてどちらなのでしょうか?