破壊されたオゾン層はニ度と元に戻らないと言われながら、2年前に“オゾンホール”が昨年(2015)までの15年間で400万m2ほど縮小し、オゾン層に回復が見られると「ネイチャー」が報じた時は、身も踊らんばかりに喜んだことを覚えています。
この映像は説明にもあるように、チリの火山噴火のために広がったものです。2000年をピークとして順調に減少を続けているオゾンホールは、残念ながらチリ火山で一瞬広がったものの、減少効果は続いていたのです。
そして今月にキト(エクアドル)で行われた「オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書」において、世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)は、
2018年版アセスメントの総括要旨が公表されました。
要点をまとめます。
・ モントリオール議定書の下に実施された施策により、大気中のオゾン層破壊
物質の量が減少し、成層圏オゾンの回復が始まっている。
・(モントリオール議定書の)キガリ改正により、ハイドロフルオロカーボン類
(HFCs)を要因とする2100年における全球平均地上気温の上昇を(規制無し
の場合の)0.3~0.5℃から0.1℃以下に抑制すると予測される。
・CFC-11の全球での放出量が予期せず増加している。
・ 四塩化炭素の主要な放出源は、以前は認識されていなかったが、定量的に特
定されている。
・ 成層圏オゾンの保護のため、モントリオール議定書を継続して成功させるた
めには、議定書を継続して遵守することが不可欠である。
*資料提供 環境省HPより
オゾン層の回復は続いていたのです、素晴らしいじゃありませんか!!
グラフ解説
上の二枚のグラフは、オゾン層破壊物質の排出量を示しています。おおよそ1990年頃がピークです。
下の二枚のグラフは、オゾン量を示しています。2000年頃まで激減していたオゾン層が急激に回復していることがわかります。特に下のグラフの南極のオゾン量の回復が凄い勢いで回復しているのが堅調ですね。
また排出量を抑えるだけでなく、オゾン層破壊物質CFC-11を含むクロロフルオロカーボン類(CFCs)、ハロンおよびハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)を回収して破壊する等の対策を行うことで、キガリ改正による対策に加えて更なるオゾン層回復効果があるとしています。
私のブログを読んでいただいている方はご存知の通り、日本のフロン排出量は世界第5位。アメリカ、中国、ロシア、インドの大国に次いで、この小さな我が国が第5位なのです。
国民一人当たりの排出量で換算するとダントツの第一位、いや環境対策最下位といった方が適切かもしれません。
アメリカがバカな大統領のせいでモントリオール議定から離脱したとしても、そこだけは猿真似しないで突き進んでもらいたいと思います。