平成27年のフロン排出抑制法の施行により、フロン類の回収率は高まったと言われていましたが、直近でもわずか4割にとどまっている事がわかりました。
冷媒未回収の要因としては、「機器廃棄時に冷媒回収が行われなかった」事が最大の要因となっています。
エアコン機器の取り外し時には、真空引きの機械を用い、完全な真空にする様に指導されているため、ある程度は進んでいます。これも“ある程度”と言ったのは、完全な真空引きを行うためには、一旦ゼロPa(パスカル)にし、時間を空けて(コンプレッサーの大きさにもよるが、30〜60分程度)、残留のフロン(配管など)が戻ってきて、再度真空引きをしなければならないが、それが面倒なのでやらない。
さらには、小型のエアコンやビールサーバー、カーエアコンなどの充填量が少ない機器では、機器の回収台数は報告されていても、廃棄時残量冷媒量としては計上していない。これなども「面倒だから」「規制が緩い」「この程度は漏れても影響が少ない」、などの身勝手な理由が主だっているのでしょう。
こういったことをデータ化する仕組みもまだ出来ていないので、業者としては営業利益を優先するため、環境悪化は止められないのです。
今後の対策として
①廃棄時回収率向上に向けた普及啓発の拡充
②都道府県の指導・監督の実効性向上
③廃棄機器を引き取る者に対する冷媒回収実施の確認の仕組み作り
④一台当たりの回収率低下の技術分析
以上4点について、経済産業省のフロン類等対策WGと環境省のフロン類対策小委員会は、取りまとめる方針。
とにかく、環境悪化は深刻であることは誰しもが憂いている重要課題です。
フロン類の回収を怠った者には罰則を、行った者には報酬を「Risk & Reward」を徹底してもらいたいと思います。