①異常に短い梅雨入り期間
7月2日現在で梅雨明けしたのは、沖縄と奄美、そして関東甲信越だけです。
沖縄の梅雨入りが平年よりも1日早く、梅雨明けが同じでした。
奄美の梅雨入りは4日早く、梅雨明けは3日早かったです。
関東甲信越に至っては、梅雨入りは2日早く、梅雨明けはなんと22日も早かったのですから驚きです。梅雨の期間わずか23日。
たまに空梅雨という年がありますが、そんなものとは比較になら無いほどの異常事態です。
この短い梅雨は1978年と同じ短さで観測史上1位の記録となりました。
1978年は6月11日から7月4日まででした。
梅雨明けが早まった理由としては、南に張り出した北太平洋高気圧が梅雨前線を押し上げ、どうもこのまま南下しそうに無いことで梅雨明け宣言となったわけです。
②ではなぜそうなったのか?
太平洋高気圧が張り出したのは、赤道付近の北西太平洋の海面水温が平年よりも高く、この付近での上昇気流が強まり、これにより日本の南東の海上での太平洋高気圧の勢力が強まったからです。
③どのような影響が考えられるのか?
景気としては高まる可能性が高いですね。まずは何と言ってもビールの売り上げが伸びます。そしてエアコンの販売も伸びます。我が協会が推奨する省エネ商材も売り上げが伸びるでしょう。
心配なのは水不足です。実はこの短い期間の梅雨でしたが、東京では平年の135.2mmを上回る155.5mmだったのです。以外に水は不足にならないのでは?
ところが、東京の貯水に関わっているのは北関東のダムなのです。6月9日から28日までの降水量は、なんとわずかに4〜7割程度しか降っていないのです。
④2016年はどうだったか?
記憶に新しい2016年の取水制限10%の時は、利根川上流の八つのダムの貯水量が50%を下回っていたのです。今夏はこれを下回ってしまうかもしれません。幸いにも?台風7号が発生しており、沖縄では相当な雨となっています。このまま関東を直撃してくれれば利根川のダムも潤うかもしれません。
しかし、2016年は当初全く台風が発生せず、第一号の台風が発生したのは7月3日と観測史上最も遅かったのです。ただそれからはそれまでの憂さ晴らしかのように次々と発生し、一週間で三個の台風が発生したり、北海道に史上初の三個の台風が上陸しました。これまた東北の太平洋側に史上初の上陸もしたりと、とんでもないくらい台風にやられました。
⑤やり過ぎじゃないの神様?
どちらにしてもやり過ぎで、「ちょうど良いさじ加減ってものを知らないのかい?」と天に向かって叫びたくなりました。
雨も降らなければ困る産業も多いので、やはり適度に降ってもらいたいと切に願う次第です。