前回の「アニマルウェルフェア」で解説した、こちらを先ずはお読みください。
2023年6月6日掲載「アニマルライツ、アニマルウェルフェアをご存知ですか?」
アニマルライツとは、一言で言えば「動物が動物らしく生きる権利」の事です。
対象は全ての動物に及びます。
アニマルウェルフェアとは直訳すると「動物福祉」となります。
これでは意味が分かりづらいのでさらに細かく説明します。
動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」の事になります。
より具体的に役すると、動物を管理・飼育する上で、その動物本来の生き方を尊重する考え方になります。
より簡単に区分けしましょう。
アニマルライツ 全ての動物は人間と同じ生き物だから、人間が利用する事はできない、してはいけない。
アニマルウェルフェア 食べるために殺すにしても、動物本来の生き方を無視した飼育方法や屠殺方法を取ってはならない。
以上 前回「アニマルウェルフェアについてご存知ですか?」から・・・
「アニマルウェルフェア」については前回をお読みいただいてご理解いただいたと思いますが、まだお読みで無い方は、この後にぜひお読みください。
動物に生きる権利はあるのか?・・・
アニマルライツの掲げる「動物が動物らしく生きる権利」わかりやすい様でわかりづらく無いですか? ある人は「動物に生きる権利なんてあるわけないだろ? 人間が地球の頂点にいて、動物は人間のためにあるのだから」
これは渋谷で街頭活動を行っている時、実際に言われた言葉です。
こんなに綺麗な言葉を並べられたわけではなく、罵詈雑言に近い言葉をわかりやすく文章にしただけです。
しかしキーワードの「人間は地球の頂点にいる」と言う言葉を聞いた時は、鳥肌が立ちました。
何かの映画か小説で誇張し歪んだヒューマニズムをひけ散らす場面くらいのものと思っていたら、本当にそんなことを言う人が現れるとは・・・
渋谷ハチ公前での活動。中央マイクを持っているのが私です。
ものを言うことのできない動物にも“生きる権利”、それも動物らしく生きる権利はあるのです。
当然のことだと思われるでしょうが、それを意識したことがありますか?
「犬や猫は好きだけど食べるわけないじゃん! でも豚や牛は食べるよ、美味しいから」
と言うのは種差別の典型です。
豚のストールを模して作ったゲージの中に入った人間。
私も入りましたが、30分が限界です。
アニマルライツセンター岡田代表・・・
6月10日土曜日の朝日新聞に、NPO法人アニマルライツセンター(以下ARC)の岡田代表の記事が掲載されました。
頂いた写メなので文章が分かり辛いですが、見出しの「動物の苦しみを減らすために」の言葉と、養鶏場から助けた鶏を抱いている写真で、動物への想いが伝わることでしょう。
この子の前にも三羽の養鶏を救い出しましたが、一羽はすぐに亡くなり、一羽はメンバーへ、一羽が岡田代表の元に残り「小春」と命名されました。
救出された養鶏「小春」・・・
小春は、羽は抜け落ち鶏冠は色褪せ、レントゲンを撮ったのですが、なんと骨が映らないのです!
強制的に卵を産まされ続けた結果、自分の体の骨が失われてしまったのです。
もちろん完全に無くなった訳ではありませんが、レントゲンに薄っすらと映る程度にしかカルシウムが残っていなかったのです。どれだけ過酷なケージの中での生活だったのでしょうか。
小春は見る見る元気を取り戻し、羽は茶色くなり鶏冠は真っ赤になっていきました。
そして大好きな岡田さんの肩にとまり、頬を突っついたと言います。
痛かったと言っていました(^_^;)
ある時は砂浜に連れて行き、思う存分遊ばせたこともあります。
*このエピソードはは私が当時聞いた記憶からのもので、実際とはやや異なるかもしれません、あらかじめご了承ください。
ARCの総会・・・
6月3日にARCの一年に一回の総会があり、私も出席しました。
最後に企業がどの様にアニマルウェルフェアに取り組んでいるのかを、各チームに分かれ、色々な企業との交渉の場に立つ、と言うシミュレーションを行いました。
私とメンバーのI本さんがタッグを組み、一流ホテルの担当者岡田さんと交渉するというものでした。
岡田さんは実際に良くある「大企業は殆ど真面目に取り組んでいない」と言う担当者役を見事に演じられ、私はそれだけ意識が低いのが日本の大企業の実態かと驚いた次第です。
交渉については、岡田さんからベタ褒めをしてもらい、実際の現場に行ってみたいと強く思いましたが、岡田さんから「中野さんの様な人が行くと相手が身構えるから、女性の方が良い」と言われ、ガクッとしてしまいました(涙)
前回のアニマルウェルフェアでは、工場畜産の実態を知ってもらいたいと書きましたが、アニマルライツについては貴方自身がどう思っているのか?と言う気持ちになります。
先の豚は食べ物、犬や猫は愛玩動物、と言う種差別の心をやめませんか?
ヴィーガンレザー知っていますか?・・・
因みに10日に私の家に注文していたソファが届きました。全てオールヴィーガンレザーで作ってもらったオーダーです。
牛や豚から剥がした毛皮で包まれたいですか?
私の車もヴィーガンレザーです。
ポールマッカートニーが乗っているレクサスも、オールヴィーガンレザーです。
余談ですが、「車を飛行機でイギリスに輸送するのをやめてください」と、リクエストしたポールでしたが、トヨタの担当者が1日でも早く届けたいと勝手に飛行機で送ってしまったことがあります。
それを知ったポールは、車を返すと激怒したのです。
飛行機を使った時と船での輸送では桁違いに環境汚染に影響の差が出るからです。
ヨーロッパでは、同じヨーロッパでの移動なら飛行機ではなく出来るだけ電車にしましょう、と言う運動もあります。
日本はもっと狭いので、東京から博多とは言いませんが、大阪なら新幹線を使いませんか?と言うことです。
アニマルウェルフェアだけでは動物を救えない・・・
アニマルライツの活動はアニマルウェルフェアの説明なしではできません。
しかし動物を救うのはアニマルウェルフェアだけでは救えないのです。
第一回「動物はごはんじゃない!」のデモ行進
「動物はごはんじゃない!」のデモ行進は、2016年第一回目が110名ほど、2019年第4回では400名を超えましたが、それを最後にコロナで中止となっています。
2019年には「動物はごはんだ!」と言う、数名の妨害が入り、警察に厳重に警備をしてもらいました。
恐怖の犬肉祭り・・・
6月24日、中国玉林地区で「犬肉祭り」が開催されます。
苦しめて殺した方が味が良くなると、生きたまま火炙りや、湯で殺しにされたり、両足を切断、または生きたまま皮を剥がされます
中国国内だけでなく、近隣諸国から犬を盗み集めます。
日本でも日本海側の方はご注意ください。
幼稚園前に並べられたテーブルで、何組もの団体客が犬肉料理を堪能する
Tyrone Siu-REUTERS
玉林の人達は「日本人はイルカを殺して食べてるじゃないか!」と言われていますが、反論できますか?
アメリカのボランティア団体が、29頭の犬を救い出しました
このボランティア活動も一概に褒め称える事は出来ません。
なぜなら、彼たちはただ救い出しただけではなく、この犬たちを救うために高額なお金を支払っているからです。
つまり、玉林の犬肉祭りは、食べるためや観光客を集めるだけの為ではなく、ボランティア団体に高額で売りつける目的もあるのです。つまりボランティアの懸命な活動や募金集めを、悪用されてしまっているのです。
犬肉祭りをやめない理由にもなっているのです。
だからと言って、殺され食べられてしまう犬達を見殺しにできないので、とても難しい問題です。
さて、アニマルライツについての解説でしたが、少し脱線しすぎた様です。
アニマルライツを辞書の様に説明して理解してもらうより、動物に何をしているのかを身近なところから感じてもらいたいと思ったからです。
「本当のアニマルライツとは・・・」と叱られちゃいますかね💦
皆さんも家族や友人を愛すると同じように、すべての動物にも愛を与えてください。