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牛のゲップは1日1兆5,500億リットル、なんと東京ドーム1,250個分!

前回のブログの中で「世界で最もCO2を排出しているのは牛のゲップ」と書いた。あまり知られていない事実で、動物愛護に関わっている人たちの方が詳しい情報かもしれない。
牛は胃袋を四つ持っていることはご存知だろう。消化し辛い食物の繊維を一旦口に戻しまた胃に戻す反芻(はんすう)を行なっている。
人間の胃は胃酸で食べ物を殺菌しタンパク質以外の分解は腸で行われる。100兆もの腸内細菌が食べ物を分解し、その際にガス(メタンなので火をつければ燃える)が発生する。それが「おなら」である。

牛は腸ではなく胃袋で大量に発生する同じメタンを含んだガスをゲップとして排出する。1頭あたり1日500リットルに及び、世界中の牛/山羊/羊は31億頭になので合計が1兆5,500億リットルになる計算だ。
これは世界中で排出されている温室効果ガスの5%にあたり、単独の原因としては最高値である。
さらに糞尿が発生する亜酸化窒素は、二酸化炭素の300倍もの温室効果をもたらしてしまう。
亜酸化窒素は笑気ガスと言われ麻酔や鎮静薬にも使われている。牛の糞尿を嗅いで笑いが止まらないのは許せるが、地球の温暖化が進むのは許せない。

本来の牛はワラや牧草を食べていたのに、今では成長を早め、乳を搾り取るために本来食べなかったトウモロコシを食べさせている。これがゲップの増加につながっており、本来のワラや牧草にもどしたところ20%もメタンガスの排出量が減ったという実験結果も出ている。

牛を増やし本来食べていない食事を与えるのは全て人間のエゴから発生している。また、もしかして牛が放牧されて優雅に牧草に囲まれて暮らしていると思っている人がいたら、1度は酪農の現実を見に言った方が良い。わずか60cmほどのロープか鎖に繋がれ生きている牛たちを見るべきだ。

なんのために? あなたが安くて柔らかい牛肉を食べたがるからだ。牛は動かなければ食事の量が減る(飼育肥料が少なくて済む)、動かないのだから肉質は柔らかくなる(テレビの前で動かないあなたのお腹のように)、そして糞尿を撒き散らさないので清掃が楽(人件費がかからない=安い牛肉)になるからだ。
さあ、哀れな牛たちのためにも地球環境のためにも牛肉(とりあえずの第一歩として)を食べるのをやめよう。

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